“聖なるもの”を見つける。vol.1 妙なる調べ “名状しがたいすごいもの”

風呂に入っていたら、隣接している洗面所から、娘のハミングが聞こえてきた。母親にドライヤーで髪を乾かしてもらっているのだ。その調べは鼻歌交じりで、流行歌なのだろう、子供なので音程は微妙にずれて、それが揺らぎになって。湯に浸かりながら聞いているとなんとも言えない落ち着いた気分になる。そして、それは、どこか神々しい調べなのである。

母と娘。髪を溶かし、溶かされ、その強い結びつきを感じた。